|
|
手術までの流れ |
|
手術の前に必要な検査を受けていただきます。服用しているおくすりがあれば病院スタッフにお伝えください。 特に出血を起こしやすい薬(抗凝固剤)は、一時的に服用を中止していただくことがあります。 手術に耐えうる体力があることが確認できれば入院のための準備品の説明をします。
|
|
両膝同時手術の場合、相当量の出血がありますので、貧血のそれほど強くない方は、輸血による合併症(B型肝炎、C型肝炎、エイズ、マラリア等)の危険性を避けるために自分の血液を前もって採取(約400ml×2回)して手術まで保管しておきます。 この方法をとることで、現在までの症例で新たに輸血が必要になった患者さんはおられません。 また、最近では前述の抗凝固剤(血液をサラサラにするお薬)を内服処方されておられる方が増加しておりますが、そのような場合でも自己血貯血は行っておりますのでご安心ください。(ただし、ほとんどの場合、手術直前には一旦抗凝固剤の内服を中止していただいております。) |
|
両膝同時手術の場合、自己血を2回(初回から2回目まで1週間あけて)採取しますが、2回とも外来で自己血を採取します。そして手術前日に入院していただきます。 手術前からのリハビリを行うこともありますので、前もっての入院も可能です。 |
|
手術前日の入浴後に看護師と看護助手で、手術をする部位に消毒液を塗ります。 そして手術する場所の清潔を保つために清潔なカバーで膝周囲を覆います。 このため膝が曲げにくくなり多少不便になります。 これを行う理由として、どの方にも皮膚表面に常在菌がいるため、これらを殺菌することと、手術部位を清潔に保っておくことで少しでも手術時の感染の危険性を下げるために行っております。 現在、術前日の消毒は意味がないとしてこの手技を省いている施設が多いのが現状ですが、やって悪いわけではないので何もしないよりは良いのではないかと考えております。
|
|
当日は手術用の着衣に着替えていただき、腕に点滴の管(静脈ライン)を挿入します。 このチューブは、手術中に抗生物質(化膿止めの点滴)やその他のおくすり(降圧剤、痛み止め等)を入れたりするために使います。 |
|
手術室に入ると麻酔が行われます。
当院では麻酔科医2名により麻酔をかけております。
麻酔は原則として全身麻酔と硬膜外麻酔を併用で行っております。
硬膜外麻酔というのは腰に細いチューブを挿入して持続的に少量の麻酔薬を注入することで術後の痛みが軽減されます。
ただし、硬膜外麻酔は(抗凝固剤を内服されているなどして)出血傾向が強い患者さんには行えない手技です。
その場合は大腿神経ブロック(太ももの神経のそばに麻酔薬を入れること)やIVオピオイド(点滴から鎮痛薬を持続的に注入すること)を行うことで術後の痛みを抑えます。
|
|
膝関節の中に人工関節を入れるために膝の前を約9センチから12センチ程度切開します。 従来は約20センチの皮膚切開で行われていた人工膝関節置換術ですが、近年の技術革新(手術手技や手術器械の発達)によってかなり小さい傷での手術が可能になりました。 当院でもほぼ全ての症例において小さい傷での最小侵襲人工膝関節置換術(MIS TKA)を行っております。 一般的に患者さんの体にかかる負担を少しでも軽くしようという手術手法を、最小侵襲あるいは低侵襲といいます。 人工関節置換術における最小侵襲では、皮膚を切開する長さを従来よりも小さくする、筋肉を切らずに温存するといった方法で、患者さんに優しい手術を図っています。
|
|
膝関節の骨が見える状態になれば専用の器具を使って損傷のある軟骨や骨を取り除き、挿入する人工関節にあわせて骨の形を整えます。 骨の大きさには個人差がありますので、最適なサイズを選択して骨を切除します。 骨の切除が終わると人工関節を骨に固定します。膝が良い状態で機能するように、膝のまわりにある靭帯や軟部組織も調整する必要があります。 人工関節がしっかりと固定され、バランスが正しく、十分に機能することを確認してから関節包、皮下を縫合していきます。当院では皮膚は一切縫っておりません。皮下を特殊な吸収糸を用いて密に縫合しているからです。このため、抜糸の際の痛みがありません。 また術後、創に血液がたまらないように体外に流し出す管(閉鎖式ドレーン)を関節内に挿入するのが一般的ですが、これも当院では平成24年2月から行っておりません。このため、このドレーンを抜く際の痛みもありません。患者さんに対して術中術後の痛みを極力感じずに手術を受けていただきたいからです。
|
|
傷口をダーマボンドと呼ばれる接着剤あるいはZip Lineと呼ばれる皮膚接合テープで寄せて、メピレックスと呼ばれる創傷被覆材で傷口を隠します。 レントゲンを撮影してきっちりと人工関節が入っていることを確認してから全身麻酔から覚めていただきます。 片膝の人工関節置換術にかかる時間はおよそ平均30分程度と、患者さんの膝の状態によって変わりますが、他院と比較してかなり短時間で手術を終えています。(参考までに,今までの最短で皮膚切開から閉創までで21分です。) 意識が完全に回復して、血圧や体温、足の動きなどをチェックした上で手術室から退室します。麻酔科医の協力により、全身麻酔がかかる時間と麻酔から覚める時間も他院と比較して格段に早いため、手術室へ入室してから退室までの時間はおよそ1時間程度になります。
|
|
COPYRIGHT(C) 大阪 八尾 人工膝関節 変形性膝関節症 人工膝関節置換術 mis ALL RIGHTS RESERV
|
|